xlab’s diary あやしい時代

感じたことを、感じたままに

新日本プロレス:ケニー・オメガさん「新日本プロレス」の世界戦略を語る ~新日本を支える頭脳は棚橋さんだけじゃない。他団体では勝てない理由がココにある~


   

ケニー・オメガこそが最高であることの証明

 

1月4日に東京ドームで開催される「レッスル・キングダム12」において、クリス・ジェリコと対戦するケニー・オメガ

彼は、この試合に対する想いを、次のように語る。

 

 

今回の試合は、単なる試合にとどまるものではありません。

言い換えれば、新日本にとっても、WWEにとっても、『目覚め』をもたらすものでなければならないんです。

今回の試合が、過去に観たプロレスの試合では感じたことがない、そんな感情を呼び起こすものになるでしょうね。

過去に例のない闘いなのですから。

 

 

ケニー・オメガが描くビジョンは、ヤング・バックスの二人と組んで、ソーシャルメディアを舞台にして取り組んだ2016年にまで遡るのだという。

 

 

私たちがやりたいこと。

それは如何にして『ファンを巻き込むか』ということでした。

この取り組みは、現在ではより高い次元にまで昇華できたと思っています。

 「クリス・ジェリコケニー・オメガが戦ったら、どうなるだろう?」

これまであり得ないと思われた試合が、レッスル・キングダム12で実現されるんですよ。

今回の試合は、必ずやビジネスにおいても素晴らしい成果をもたらせてくれるずです。

 

 

2014年10月に契約書にサインして以来、ずっと新日本の所属選手として働いてきた。

彼の言葉によれば、彼が所属する組織として新日本はベストな選択だという。

 

 

アーティストとして、私が持っている全てのスキルを観衆や視聴者に提供できるコンセプトが必要だと思っています。

この『ケニー・オメガ』というキャラクターには、まだまだ多くの発見されていない魅力があるはずです。

その点で、新日本という団体は、自由に振る舞うことを許してくれています。

キャラクターを自由にデザインすること。

それこそが、私が過去に苦労した経験から得られた大切な権利です。

自分のキャラクターを自由にデザインできるという贅沢さを堪能しつつ、今回は、世界でも最高クラスの選手だと信じている男と仕事ができる機会を与えられた。

 

 

WWEに移籍するか、それとも、新日本にとどまるか

 

 

34歳になるケニー・オメガ

WWEへの移籍を選択すべきか、それとも、新日本にとどまるべきか。

その問いを常に脳裏をかすめるという。

 

 

カナダ国民である私にとって、カナダという国が特別な存在であることは紛れもない事実ですよ。

一方で、日本は私にとって第二の故郷ともいうべき特別な存在なんです。

 

 

かつてDDTに6年間所属していたんですが・・・

そこで私がやりたいこと、すべてを達成してしまった。

そのとき脳裏に浮かんだのは、

かつて辞めたWWEに再度挑戦するのか?

あるいは

日本のメジャー団体である新日本に移籍するか?

というものでした。

私は、キャラクターをデザインできる自由を得られたが故に、DDTという団体を愛していました。

でも、そこで出来ることをやり尽したとき、物語は終わったんです。

私自身のね。

新日本では、DDTでは達成できなかったアスリートとしての可能性に賭けてみたんです。

 

 

DDTでは、私が世界でもトップクラスの選手だと信じる一人の男に出会いました。

飯伏幸太です。

一緒に組んで、これまでのDDTとは異なった方向性を示すことができたと考えています。

DDTという舞台で出来ることは全部やり尽した、そう感じたからこそ、新日本に移籍する決断を下すことができた。

その決断を下す直前、私は自問自答してみました。

「私は新日本でもDDTと同じように成功できるだろうか?」

DDTよりも制限の大きな団体で、私は優れた能力を発揮できるだろうか?」

ってね。

 

 

 新日本に加入して以降、私自身、着実に成長していますよ。

もちろん、所属当初は思ったように振舞えたわけじゃありません。

それでも、ここまでやってこれたことが素直に嬉しいんです。

でも、新日本プロレスのファンの視線の先は、まだ新日本プロレスだけでとどまっている。

「オイオイ、それで終わりじゃないだろう!」

そんな気付きを与えるのが、私の仕事だと思っています。

 

 

新日本に所属した当初、団体側からケニー・オメガというキャラクターに与えられたのは、悪の権化として団体を征服するようなものとは程遠いもの。

レスラーの一人として団体の興業に単に取り組むだけだったという。

しかし、時間の経過とともに、ケニー・オメガの目標と野望は大きく膨らんでいく。

 

 

新日本に移籍した当初、観客にそれほどたいしたものを提示できていたわけではありません。

でも今は、新日本プロレスを更に拡大したいと心から願っているんです。

WWEとビジネス上で直接対決したいなんて言っているわけではありませんよ。

それでも、世界中でプロレスにおける選択肢の一つとなれるようにしたいと思っています。

何故なら、私は、新日本が提供するプロレスこそが最高のプロレスだと誇りに思っているからなんです。

私は、そのための先導役になりたい。

それができる能力を持っていると信じています。

私が作りあげたスタイルこそ、既存のプロレス・ファンだけでなく、まだ私のことを知らない人々をも魅了できるものだから。

 

 

新日本プロレスでやり残していること

 

 

ケニー・オメガさんは、IWGPヘビー級のベルトを腰に巻くことができていないことを未だに悔しがる。

 

 

正直に話しましょう。

あのベルトこそ、私の目標だった。

でも、私がジュニアからヘビー級に移ったとき、最初の目標をインターコンチネンタルのベルトに絞りました。

IWGPヘビー級のベルトと比較すれば、序列も権威も劣るものだけれど、それでもインターコンチネンタルのベルトは、かなり自由にやれるという歴史がありましたからね。

私は、そんな伝統を継続させたいと願っていましたよ。

と同時に、このベルトを使って、ケニー・オメガ流の仕掛けをしたかった。

 

 

ケニー・オメガがインターコンチネンタルのベルト失った後、彼は、真夏の祭典「G1クライマックス」で優勝した最初の『外人レスラー』になることを目標に定めた。

それを実現させたとき、

「次のステージは、当然、IWGPヘビー級タイトルになると思った」

ケニー・オメガは語る。

 

 

2017年1月、当然、団体からそのベルトを託されると思っていたんです。

その後、オカダさんからのリターンマッチというシナリオでストーリーラインを継続させるんだろうって。

 

 

しかし、ケニー・オメガが2017年中にIWGPヘビー級タイトルを獲得することは叶わなかった。

その代わり、米国で開催されたトーナメントで見事に優勝し、新たに設立されたIWGP USヘビー級のベルトを獲得。

このベルトを巡り、レッスル・キングダム12において、世界的な知名度を誇るクリス・ジェリコを相手に、反則裁定無しという危険な防衛戦を行うことになった。

 

 

新日本の理念は素晴らしいと思います。

彼らはチャンピオン・ベルトの価値を本当に分かっているからね。

現在では、オカダ・カズチカ選手は、歴代でも屈指のチャンピオンへと成長したでしょ。

これはもちろん、ベルトの価値を引き上げることに貢献したと思いますよ。

(注:これはWWEのように、日めくりカレンダーかと思わせるようなチャンピオン交代劇はベルトの価値を貶めるだけだ、という反意。)

そのオカダ選手からベルトを奪取した選手は、おそらく長期政権を築くでしょうね。

 

 

私はUSヘビー級のベルトを腰に巻いている。

かつて中邑選手がインターコンチのベルトの価値を高めたように、このベルトを誰もが認める、権威あるベルトへと格上げさせるつもりです。

今回の対戦相手、クリス・ジェリコ選手への期待はそれもありますが、新日本をより世界的に認知された団体にするという、私が掲げる第一の目標に貢献してくれるものと考えています

 

 

WWEでは提示できない、プロレスの新たな地平を切り開く

 

 

世界最大規模を誇るレッスル・マニアと、新日本が威信をかけて開催するレッスル・キングダムは、常に比較される関係にある。

ケニー・オメガは、この大規模なイベントが併存する理由を示したうえで、レッスル・キングダム12で提供されるダブル・メインイベントについて語る。

 

 

現在のWWEには、私たちと競合できるようなメイン・イベンターは見当たらないんじゃないでしょうか。

今回の私たちのショーでは、レッスル・マニアとは方向性が明確に異なるメイン・イベントが提供されます。

ストーリーライン重視で創り上げたダブル・メインイベントが、(アメプロとは根本的に異なる)アスレティック性の高い試合をお見せすることが出来るでしょう。

 

 

ケニー・オメガは、WWEが毎週提供している試合のクオリティを常に確認している。

すべての試合やエピソードを観ているわけではないが、そのような場合でもハイライトを観ることでキャッチアップしているという。

 

 

その中で気になっているのが、WWEに移籍した元新日本のスーパースター中邑真輔選手。

中邑選手はタイトルマッチに登場するも、未だにベルト奪取には至っていない。

 

 

中邑選手の移籍後、新日本所属の日本人選手のほとんどが中邑選手の築き上げたカリスマ性を乗り越えようと四苦八苦していたという。

それほど新日本所属の選手たちから羨望の眼差しを集めていた中邑選手であるが、WWEではそれが十分に発揮できていないと、ケニー・オメガの眼には映ったようだ。

 

 

彼は、中邑選手の現状を「非常に残念だ」と語る。

新日本で放っていたカリスマ性が、WWEのリングでは霞んで見えるとも。

 

彼の言葉によれば、WWEの試合を観ていると、マッチ・マネージメントに慣れ切った感じを強く受けるのだとか。

それ故にレスラーどおしの感情のぶつかり合いが希薄になり、ストロング・スタイルを標榜する中邑選手のようなレスラーの持ち味が失われていると感じている。

 

 

ただ試合に登場してきて、指定されたとおりのことを指定されたとおりにワークするだけの選手が相手では、せっかくの中邑選手の持ち味が全く活かされていない。

これに対し、レッスル・キングダム12では、これからのプロレスの可能性を切り開くような、ケニー・オメガのビジョンを有効に機能させることができると語る。 

 

 

私たちは、プロレスの可能性について、これこそが正しい方法なのだということを世界に示すという、重い使命を担っているんです。

世界のプロレス・ファンには、WWEの世界観と対極に位置するプロレスをお見せしましょう。

一つは、ビンス・マクマホン氏という業界の巨人が生み出した、シナリオライターが書いた通りに動くことが重視される試合。

もう一つは、インスピレーションを重視し、感情のぶつかり合いこそプロレスの原点だとするアーティストが織りなす試合。

今回の東京ドーム大会という舞台から、全世界に向けて感情を揺さぶるようなメッセージを届けるつもりです。