米国政府から徹底的に敵視された映画。
同名の原作は1939年に発表。
しかし、「反政府文学」とのレッテルを張られ、第二次世界大戦の終戦間際に発禁処分。
戦後に復刊されるも、朝鮮戦争勃発に伴い再度発禁処分となる。
原作者の名はダルトン・トランボ。
赤狩りの犠牲者となった“ハリウッド・テン”の一人。
彼の脚本による映画のうち、本作以外に観たのが「スパルタカス」と「パピヨン」
いずれの作品も、胸にズーンって響いてくるだけの重々しさを備えている。
ちなみに、本作の原題は”Johnny Got His Gun”だから、普通に訳せば「ジョニーは銃をとった」あるいは、チョット意訳して「ジョニーは兵士となることを選択した」って感じ。
でも、邦題「ジョニーは戦場に行った」は秀逸といって良いだろう。
さて。。。
この映画、ある意味で最高のホラー映画といえる。
化け物や幽霊なんかの非現実の恐怖ではなく、誰にでも起き得る現実の恐怖を与えるモノとして。
人間から視覚、聴覚、嗅覚、そして言葉さえも奪われたとき、さらに手足を切断され自殺することも不可能になったとき、残された時間は、まさに地獄。
この映画は、スプラッター・ムービーのようなドロドロしたものではないけれど、グロテスクの極北。
特に最後に突き付けてくる、声ではなく、心の叫びである“HELP”の連呼は、余りにも辛すぎる。
(日本語版もあるみたいなんですが、絶対に吹き替えで観ちゃイケナイ映画)
戦争映画を観るのなら・・・
一度は観ておくべき作品だと思う・・・