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xlab’s diary あやしい時代

感じたことを、感じたままに

映画「サタンの書の数ページ」を観る ~ほぼ100年前にデンマークで制作された無声映画。コレはもう、アイデアの勝利だろう~

カール・Th・ドライヤー コレクション/ クリティカル・エディション サタンの書の数ページ [DVD]

タイトルに魅かれて購入。

結果は・・・購入して良かったぁ~

(この作品、中古でも4,000円近くします。)

 

映画「イントレランス」の影響を受けているのはアザゼルでも分かるのですが、

とにかく、この物語を貫くアイデアが素晴らしいのです。

 

この作品の『商品の説明』欄には、次のような文字が躍っています。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

カール・Th・ドライヤー監督が人の弱さと狡さを4つの世界観で描いたサイレント映画。下界の人間を惑わせて陥れるよう神に命令されたサタンが、キリストの周囲の人間や僧侶、忠実な人妻など場所も時代も異なる人間に姿や肩書きを変えて近付き…。

内容(「Oricon」データベースより)

巨匠カール・Th・ドライヤー監督が、人の弱さと狡さを4つの異なる世界観で描いた作品。

 

 サタンが人間を堕落させるように、まさに「悪魔の誘惑」を行う。

しかし、その誘惑、実はサタン自身の意思に反するものだったんです。

 

サタンをして人間を堕落させようと誘惑させているのは、誰あろう「神」

(神との戦いに敗れた)サタンは絶対者である「神」の命令に従わざるを得ない。

 

人間が誘惑に負けると、サタンが罰を受けなければならない懲役期間が加算。

もし、人間が誘惑に打ち勝てば、懲役期間は大幅に減算。

 

その結果は???

 

回答を申し上げるまでもございますまい。

人間は・・・所詮、人間は・・・

欲望という名の「誘惑」には・・・

打ち勝てないのですもの。

 

人間から悪魔であると蔑みと慄きの眼で見られるサタンが、

ことごとく誘惑に負ける人間たちを見て落胆する・・・

 

その様は余りにも滑稽であると同時に、人間の悍ましいまでの脆弱さを突き付けられて思わず沈痛な面持ちになってしまう。

これこそ、この作品が一流である証左であり、その基盤となっている着想の勝利と申し上げても過言ではございますまい。

 

物語は、イントレランスばりに4つの時代の物語から構成されたオムニバス映画。

キリストの受難、中世の魔女狩り(スペインの異端審問)、フランス革命ロシア革命を時代背景として、日本人でも知っている歴史上の者たちが織り成す人間模様。

 

ハラハラ、ドキドキなんて感じはしません。

だって1世紀も前のシャシンなんですもの。

 

それでも、深い哲学的問いかけを前にして、アザゼルは・・・

「こういう映画が観たかったんだ、私は・・・」

と思わず倒置法になってしまうぐらいに嬉しかったんです。

 

もし、ご興味があれば、是非とも。