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xlab’s diary あやしい時代

感じたことを、感じたままに

温故知新(その15) リグ・ヴェーダ「ナーサッド・アーシーティア讃歌」 ~3,300年前に成立した歌に思う~

その他
一 世界が生じる前
  時空も存在せず
  如何なる物質も無かりき
  遥か昔、何かが発動し、時空が生じぬ

二 太初の世界
  消滅と発生を繰り返しぬ
  光は届かず、しかして闇との区分も無し
  物質を構成する源は、他力によらず自ら動く

三 世界に相互関連の輪が取り巻きぬ
  非対称が生まれ、上下の区別生ず
  能動的力ありき、受動的力、またありき
  物質は分化を繰り返す

四 人の目に見えぬものが世界に満つ
  その一切は標識なき波なりき
  空虚の中より発現しつつあるもの有り
  物体は熱の力により出生せり

五 原初の生命の生ぜしとき
  原始の意識が現れり
  意識は思考の主たる源となりき
  神秘を感ぜし者は、有の起源を無に発見せり

六 誰か正しく知る者ぞ、誰かここに宣言しうる者ぞ
  現象の創造はいずこより生じ、いずこより来たれる
  如何なる神も創造されたるは、世界の創造より後なり
  しからば、誰が創造のいずこより起こりしかを知る者ぞ

七 この創造はいずこより起こりしや、そは誰によりて実行せられたりや
  あるいはまたしからざりしや
  世界の外にありて世界を監視する者のみ実にこれを知る
  あるいは彼もまた知らず


観念されたものでしかないけれど、紀元前12世紀には既に神さえも超越した世界観を手に入れていたというのには脱帽。
更に、世界全体を見渡すためには世界の内部にあっては不可能であり、世界の外にいる観察者のみが可能であるという思考力の高さには、もはや言葉を失いますぞ。
(だってコレ、倭に卑弥呼が出てくる1500年ぐらい前のお話なんですもの)

 

<お断り>
リグ・ヴェーダ讃歌」 (岩波文庫)を底本にしたんですが、上記一~五は私が勝手に解釈してテキトーに書いたもの。
お許しあれ。