xlab’s diary あやしい時代

感じたことを、感じたままに

温故知新(その8) ちょっと気になる、ニューヨークタイムズ紙の記事 ~神は、サイコロを振り続ける~

Scientists Report Finding Reliable Way to Teleport Data
(出所:ニューヨークタイムズ紙オンライン版より)

 

昨年、古澤先生のチームが、高確率での量子テレポーテーションに成功していたんですが、今回、記事で取り上げられたオランダのデルフト工科大学チームは、”確定的”に量子テレポーテーションに成功したとのこと。
確定的ということは、100%成功したってことを意味します。

 

なお、ニューヨークタイムズ紙の記事では、実験装置の全体像が分からないので、こちらをご覧ください。
‘Beam me up, data’
(出所:デルフト工科大学ウェブサイトより)

 

門外漢のアザゼルが何も語るべき言葉は持たないのは分かっています。
でも、知ったかぶりを発揮して、語ってみませう。

 

量子テレポーテーションって、ある特定の量子そのものが何光年も先に瞬間移動するわけじゃない。
記事にもあるように、量子もつれの関係にある電子間では、一方の電子の状態を観測することで、他方の電子の状態が確定するってこと。

 

その意味するところの重要性は、相対性理論が示す因果律、すなわち、光速を超える相互作用は存在しないという大前提を覆すことにあります。
情報が光速を遥かに超えて伝達される、そんなことを故アインシュタイン先生が「はい、そうですね」なんて認めるわけもなく・・・っていうのが、記事にある「アインシュタインの誤り」(Einstein wrong in his early disbelief in the notion of entanglement = Albert Einstein’s most famous objections to the implications of quantum mechanics)っていう部分。

 

この実験が示すところは、ある状態においては相対性理論量子力学が相反する関係に立つ(というか、両立しない)ということ。
でも、じゃあ何でそうなるのよ?ってことに関しては、なんらかのブレークスルーが必要になり、未だ理論が確立しているわけじゃないみたいですぞ。

 

アインシュタイン先生のような決定論者からすれば、確率波から特定の位置を保持する実体へと移行する過程のメカニズムに関してはまったく不可知、つまり、本質的に知り得ないとする理論など、きっと許せなかったのでしょう。
あまつさえ、相対性理論の基本概念を揺るがしかねない、量子もつれ状態にある電子間における光速を遥かに超える相互作用など、受け入れるとはとても思えません。

 

例えば、二重スリット実験では、単一の粒子は、点であると同時に、空間の確率分布を支配する性質も併せ持つという、何だか訳の分からない結果を認めざるを得ないことになったし。
(要するに、点でもあるし、波でもあるって奴ですよね。)

 

もっとも、量子力学って何よ?っていう根本的な疑問が未だに残っているのがホントのところかもしれません。

まあ、アザゼル程度の者が軽々に足を踏み込めるような領域ではない、ってことだけは確かなようです。


観測するだけで振る舞いが変わってしまう量子の世界、それはまるで・・・

 

神は、紳士どころか、普段はサイコロを振りまくる博徒のくせに
引っ込み思案で、見つめられるとサイコロを振るのを止める
そんな矛盾した性格を持つ

 

それが今回の結論ということで・・・