xlab’s diary あやしい時代

感じたことを、感じたままに

温故知新(その4) 白昼夢 ~ 真昼に夢をみるとロクなことはない~

何だか落ち込んじゃって、ずっと家に引きこもりっぱなし。
ゆったりと流れる静かな音楽をかけて、ベッドに腰掛けたまま、本を読むでもなく、ただボーとしていた。


そのうち、寝ちゃったみたい。。。


何の気もなしに、部屋の壁にかかっている大きな鏡に目をやる。
その鏡に映っている、人影。

 

ゆっくりと、鏡とは反対の方向に首を動かす。
そこには、ベランダに立つ、女。

 

すぐに理解した。
「来たんだ・・・」

 

普段なら叫び声をあげるところなのに。
冷静なままの私が、そこにいた。

 

押し黙っていると、その人が口を開いた。
何て言ったと思う?

 

私に向かって
「センパイ・・・」
って言ったんだよ。
可笑しいでしょう。

 

だって、20歳で死んだのかもしれないけれど、もう死後45年経っているんだもの。
23歳の私に向かって、「センパイ・・・」っていわれても・・・

 

呼びかけられても、口を開くことを拒否した。
その子は、なおも「センパイ・・・」って呼んでくる。

 

しばらくすると、意味不明なことを口走ってくる。
「・・・一人にしても・・・イイの?」とか何とか。
(その他にも何か喋っていたんだけど、どうしても思い出せない。)

 

その子を眼を凝らしてみると、不思議なことに胸の辺りから上が暗くて見えない。
髪の毛が前に垂れているわけでも、逆光で見えないわけではない。

 

写真を見ていたから顔は知っているはずなのに、全然、顔が見えない。
そのうち、気付いたの。
『あ・・・この子・・・顔が・・・ない・・・』

 

すると突然、凄い力でベッドの上から床に叩きつけられた。
床に叩きつけられるや否や、ボクの左足首を掴んで窓の外に引きづり出そうとする。
(掴まれたとき、その子の手で掴まれたのか、別の何かだったのかは覚えていない。)

 

必死で抵抗した。
そのとき、はじめて叫んだ。

 

「成仏なんかさせてやらない」
「この手で地獄の底に叩き落としてやる」

 

最後にこう言ったのを覚えている。
「オマエなんか、絶対に許さない!」


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・


そこで、目が覚めたみたい。
部屋の中に音楽が静かに響いている。

 

三文映画の観すぎかなぁ・・・
最後に叫んだ言葉なんて、まんま安っぽい映画みたいじゃない。

 

それから鏡に顔を映してみたら、微かに、微かにだけど、微笑んでいたの。
何だか、とても気分が良い。

 

クリスマスイブの夜にベッドに入るときの子供みたいにワクワクしてる。
やっと少し元気が出てきた。

 

 

 

それからずっと、あの子の来訪を待ち構えている。

 

 

 

今度こそ、今度こそ、

必ず仕留めてやる・・・