xlab’s diary あやしい時代

感じたことを、感じたままに

量子物理学からの「神」へのアプローチ ~自然科学の分野から、「神」の存在・非存在を実証することは永久に不可能である~


えっと。。。

 

この記事、ウィーンの教会系新聞に掲載された内容の日本語訳。

つまり、教会サイドにとって非常に好ましい結論が導き出されている、ということをあらかじめ念頭に置いたうえでお読みあれ。

 

さてさて。。。

 

このインタビューに回答しているアントン・ツァイリンガー教授(ウィーン大学)。

ホントに世界的な権威をお持ちの物理学者です。

 

このインタビューの「肝」は、冒頭の要約にあるとおり。

(1)量子物理学の領域において、どれだけ素晴らしい研究成果が積み上げられようとも、「神」の存在あるいは不存在を証明することは、あり得ないこと

(2)むしろ、(量子物理学の領域にとどまらず)自然科学分野の如何なる知見を用いても、「神」の存在あるいは不存在を証明するようなことは、永久に証明不能な命題であることを理解しておくべきこと

(3)(日本語訳の本文には具体的な記述が無いものの、)論理的可能性は認められないが、もし自然科学からのアプローチにより「神」の存在あるいは不存在が実証された場合、それは人類が過去から連綿と受け継いできた伝統と文化の象徴たる「宗教」と「信仰」を自ら破棄せざるを得ないこと

 

つまり。。。

 

「神」が存在したと仮定した場合 :

世界(=宇宙)の創造者たる「神」は、人知を遥かに超えた存在であるが故に、如何なる手段をもってしても人間が「神」に直接触れるようなことは不可能である。

 

「神」が存在しないと仮定した場合 :

確率論的にはあり得ないほど精妙なバランスの上に成立している「世界」(=宇宙)のすべて(=神羅万象)を解き明かさない限り、「神」が存在しないことは実証できず、それは如何なる意味においても人間の能力を超えており不可能である。

 

よって、『「神」が存在するか否か?』という命題は、あらゆる可能性に満ちているかずの論理空間においてすらも、人間には永遠に回答不能である。

 

言い換えれば。。。

 

教会サイドからすれば、

どれだけ科学が進もうが、「神」について云々することはできないんだよ

といえるわけで、教会の権威を維持し続ける(※教会にとって、最も重要な事項は、自身の組織を維持すること)重要な論証となり得ると考えたのでしょう。

だからこそ、自身の新聞に載せるだけでなく、ラジオでも報道したのでしょうね。

 

で。。。

 

一見すると、教会サイドの考え方には、大きな矛盾が存在するように思えるでしょ。

だって、教会は「神」の存在を前提に成立し得る組織なのですから、「神」がいるのかいないのか、永久に実証不能だということになっちゃうと、「神」に祈ること、奇跡を信じること、「神」がガンガン登場する「聖書」を至上の書とすること、等々、これら全部が無意味なことになりかねないのですから。

 

教会を教会足らしめているもの、その原動力ともいうべきものは「聖書」の存在。

信仰の根本を揺るがせかねない事態を招くのでは・・・と思っているのなら、キリスト教だけでなく、宗教についての理解が足りないと指摘されても致し方ございませんぞ。

 

今回の記事でツァイリンガー教授が述べたことを読み返すと、

自然科学の分野から「神」の存在・非存在の問題にアプローチすることは不可能

と仰っているだけ。

ということは、「信仰」という神秘的アプローチによって「神」(あるいは聖霊もしくは天使や奇跡)に触れることまで否定しているわけでないんです。

 

それどころか。。。

 

今回のインタビュー内容を、教会サイドにとって都合の良いように解釈すれば、

「神」に触れる(神の恩恵に浴する)ことは、「科学」の力ではどうやっても不可能であり、ただ「信仰」という神秘的アプローチによってのみ可能なのであるから、教会のミサに参加しない不信者は地獄に落とされちゃうよ(笑)

ってことにもなりかねない・・・っていうか、そうなっちゃう。

 

アザゼルは、「神」の存在・非存在の問題について、アッチコッチに揺れ動いてきたけれど、少なくとも現在のところ・・・

世界の創造者たる「神」がいるのかいないのか、それは分からないし、おそらく、私という存在が消滅(=死ぬ)まで分からないのだろう。

ただ、「神」が余りにも深遠なるモノであるために、「私」という極ミクロ的視点からとらえれば、「神」がいようがいまいが、おそらく何の影響も与えはしない(=「一般の生活」というレベルでは無視できる程度影響しかない)だろう。

って感じかな。

 

もとより、神秘主義者とか信心深い方にとっては、絶対に無視できない論点ですし、自然科学の分野で研究者を志す方にとっても、実は無視できない論点となり得ることは理解しています。

そして、「神」がいるのかいないのか分からない程度のアヤフヤな存在でしかないとか、「神」は人間が作り出した幻影に過ぎないとか、そんな論調にも同意しません。

(チット昔は、そんな風に思っていたこともあったんですが・・・(;^_^A )