読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

xlab’s diary あやしい時代

感じたことを、感じたままに

映画「バリーリンドン」を観る ~上映時間は3時間以上、しかし、そのイイタイコトはたった一言だけというオチ~

えっと。。。

 

故・スタンリー=キューブリック監督にはシンパというか信者がやたらと多く、彼の作品を貶しちゃうと、とたんに凶暴化して北朝鮮みたいに『無慈悲な攻撃』を仕掛けてくることがあるんです。

キューブリック作品の良さが分からないバカは黙ってろ!っ」てみたいな感じで。

 

まあ。。。

 

2001年宇宙の旅」(これって、邦題・・・オカしくないですか?)と「シャイニング」の2つは面白かったというか、マジで凄い!と感じたのは事実。

 

でも、「フルメタル・ジャケット」まで名作だという評価がついているのには同意できませんぞ。

ついでに言えば、同じベトナム戦争モノとして何かと対比される「プラトーン」の方が圧倒的に面白かったと記憶しています。

 

とは言っても・・・90年代生まれのアザゼルの場合、キューブリック作品はDVDかBDでしか観ていないので、あんまり偉そうなことはいえないのです・・・

映画はやっぱり、映画館で鑑賞すべきものですものね。

 

でね。。。

 

今回、池袋にある新文芸坐という映画館がキューブリック特集を組んでくれていたので、トコトコ出かけて行ったという次第。

映画は一人で観るって・・・何だか知的女子って感じじゃない(←単に他人との接触が嫌いなだけ(笑))

 

さてさて・・・映画はドーだったかというと・・・

ゴメンナサイ、寝ちゃった。


・・・

・・・・・・

 

こういう感じの映画って苦手なんです。

あたかも絵画が動いているというか、映画の中の絵画がホントに魅力的に撮影されていました・・・が、飽きちゃった。

 

いいですよぉ~「芸術の価値も分からぬ愚か者」だって馬鹿にされたって。

「芸術の何たるか」そんなこと、知ったところで人生に何の彩を添えることになるのか・・・むしろ俗物であることの方が遥かに人間的ですもの。

 

コレって言い訳なんかじゃなくて、アザゼルの中では真実。

いくら高尚ぶったって、表面的な皮を一枚剥いじゃえば、ほんの僅かな例外を除くと、皆ぃ~んな同じなんだもん。

 

で。。。

 

実は、この映画の主題も「皆、同じ」だってことなの。

ある意味で、アザゼルはこの映画の真意を理解できたんじゃないかしら・・・(ウソ)

 

主役であるバリーの波瀾万丈の物語・・・

そんな凡人が経験し得ない人生を、3時間チョットの枠にギュって凝縮してみても、ハリウッドで粗製乱造されるB級、C級の安っぽい映画ほどの高揚感すら生まれはしない。

 

勘違いしないでね。

これはこの作品をディスっているわけじゃないんです。

 

私たちが生きている「日常」って、

 昨日と大差のない今日を過ごし

 今日と大差のない明日を想う

これの繰り返し。

まさにカミュが描いた「シーシュポスの神話」

 

神々がシーシュポスに科した刑罰は、休みなく岩を転がして、ある山の頂まで運び上げるというものであったが、ひとたび山頂にまで達すると、岩はそれ自体の重さでいつもころがり落ちてしまうのであった。

無益で希望のない労働ほど怖ろしい懲罰はないと神々が考えたのは、たしかにいくらかはもっともなことであった。

 

打算に満ちつつも、決闘という生死の極限状態を何度も生き抜き、人生を謳歌したかと思えば、自己破滅的行為によって没落する男の生涯。

まさに映画的人生のはず。

 

これほどの映画的素材であっても、第三者的視点で俯瞰的に、否、もっと巨視的に眺めれば、フーンと鼻であしらわれる程度のものでしかない。

この映画の最後に主題(テーマ)が明らかにされるけれども、一言でまとめちゃえば

『如何な人生であるとも、所詮は諸行無常

ってこと。

 

祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。
とし。

 

この作品は、いわば英国版平家物語(現代語訳)って感じね。

 この作品を徒に評価することもなく、つまらぬものだと鼻にもかけない態度にも偏らず、ただただ風景として眺める・・・コレが、この映画のたった一つの冴えた鑑賞方法。

 

まあ・・・こんなところかなぁ~

 

あっそうそう、この作品、結局、アカデミー作品賞および監督賞は取れずじまい。

その対抗馬だったのが「カッコーの巣の上で」なんですって。

 

とあるブロガーさんは、当時のアカデミー賞の審査員の眼は節穴か!って義憤に駆られていらっしゃったけれど、それこそ天に向かって唾を吐くかの如き所業でござるよ。 

カッコーの巣の上で」が圧勝するのは、誰が考えたって当然!

 

映画の脚本、演出、編集、主役と助演の役者の魅力・・・

どれをとっても「バリーリンドン」が勝てる要素があると思う?

 

「バリーリンドン」が映画史に名を刻む作品であることに異論はない。

だけど、記念碑以上の評価を下す気には・・・とてもなれないわね。