xlab’s diary あやしい時代

感じたことを、感じたままに

もう一度、「21世紀の資本」で語られた内容を噛みしめてみた ~「格差」問題だけが独り歩きしてはいないのだろうか?~


「21世紀の資本」(トマ・ピケティ)を読む ~彼の主張を鵜呑みにする必要は無い。ただし、グローバル資本主義への批判が強まっているトレンドを理解しておく必要がある~ - xlab’s diary あやしい時代別館

 

経済学系の実証研究の専門書としては、異例の売れ行きを示す「21世紀の資本」

書店の社員さんとお話したところ、年を越えてもバンバン売れているんですって。

 

本の内容については、リンク先のボクが以前書いたエントリーでも参照いただくとして、この本がココまで売れる・・・

専門書であるにもかかわらず米国でも日本でもベストセラーとなった理由は、

自国内における階層間の経済「格差」が

もはや座視できぬところまで来てしまった

ということが、知識層の共通認識として形成されつつあると解釈しても、さほど違和感はないのでは。

 

アザゼルは、少なくとも現時点においては、アベノミクスを支持します。

しかし、アベノミクスの実態がトリクルダウン仮説に基づく経済政策である点に留意を払っておく必要があるとも考えています。

 

最初に金融資産50億円以上を保有する超富裕層が経済的恩恵を被り、次に5億円以上の富裕層が、その次に1億円以上のプチ富裕層が、その後で3000万円以上の標準層が、最後に、それ以下の階層に属する者が経済的恩恵が波及するという構図。

問題は、非常に乱暴にまとめちゃえば、

(1)上から下へと流れる経済的恩恵の波及には長いタイムラグが発生すること

(2)経済成長が長期にわたり実現できないと、結果的に下の階層には経済的恩恵が行き渡らないこと

(3)グローバリズムの観点から考えれば、生産拠点等はより交易条件の良い(例えば、労働賃金等が日本国内の何分の一で済むような)発展途上国に移転したままになるので、そもそも下の階層に経済成長の恩恵など波及しない可能性があること

って感じかしら。

 

間違えて欲しくはないのですが、いわゆるプロ市民と呼ばれる方々のような主張、

「格差」は許さない!

といった子供じみた主張は誤りです。

経済成長を実現し持続させるためには、如何なる方策をもってしても「格差」の発生は避けられないから。

 

問題なのは、「格差」が発生すること自体ではなく、それが固定化し超長期にわたり継続してしまうと、国家の社会基盤を揺るがす事態に陥るおそれが生じること。

この点を見誤ると、論点が全くずれた議論を繰り返すことになってしまいます。

 

次に、グローバリズムを「悪」と決め付ける風潮に軽軽に同調しないよう、自重すべきって点かな。

どういうことかっていうと、「格差」の許容し難い拡大によって、多くの国民がグローバリズムは自分自身の、そして自国のためにならないと認識してしまうおそれが強いから。

 

右翼思想にシンパシーをおぼえるボクが言うのもおかしいのだけれど、それは偏狭なナショナリズムの台頭を許すことにもなりかねない。

アザゼル歴史修正主義にも同意しないし、他国を挑発することで自己満足に浸っている者たちには脅威すら感じるんです。

 

ところで。。。

 

話を整理しないままに書き連ねてきたけれど、アザゼルアベノミクスを支持する最大の理由は、インフレーションを意図的に作り出そうとしているから。

そんなことが一国の財政政策・金融政策ごときで作り出せると考えるのは楽観的に過ぎるとの批判は甘受するつもりです。

 

それでもなお、日本のGDP比250%もの公的債務を抱えている状況を鑑みるに、持続的なインフレーション実現以外、解決の糸口は見出せない・・・

そんな風に考えているのです。